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会議で一歩差がつく「図表の英語」
データを“見せる”から言葉で“伝える”へ

会議で一歩差がつく「図表の英語」データを“見せる”から言葉で“伝える”へ

英語会議でグラフや表を使っても、思うように説明できないと感じたことはありませんか?
数値やデータを見せても、相手に伝わらなければ意味がありません。

英語会議では、発言の内容だけでなく、データをどう説明するかが評価を左右します。また、図表を自分の言葉で説明できる人ほど、会議の場で信頼を得やすくなります。

本記事では、データを英語で伝えるための基本ステップと、会議で活かすための実践ポイントを紹介します。

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なぜ「図表を解説する力」が必要なのか

グラフや表は、数字をひと目で伝えられる便利なツールです。しかし、「見せるだけ」で伝わるとは限りません。ここでは、図表を自分の言葉で説明する力が求められる理由を見ていきましょう。

「見せれば伝わる」とは限らない

同じグラフを見ても、参加者が注目するポイントは人によって異なります。ある人は「成長の兆し」に目を向け、別の人は「直近の下落」に不安を覚えるかもしれません。

図表は強い視覚情報ですが、解釈が分かれるリスクを伴います。だからこそ、数字や傾向を言葉で補足する力が欠かせないのです。

「伝わる一言」は何を生むか

一言の補足があるだけで、会議の流れは変わります。

例えば、
“Sales peaked in March but dipped in April.”
(3月に売上がピークを迎え、4月に落ち込みました。)

このように、注目したい点を正確な英語で伝えることで、参加者全員の視線を同じポイントに集められます。

さらに、
“This trend might suggest a shift in demand or consumer preferences.”
(この傾向は、需要や消費者の好みの変化を示している可能性があります。)

と続ければ、議論を一歩前に進められます。

英語力よりも「伝える力」

国際的な会議では、完璧な文法よりも「相手の視点で説明できる人」が信頼されます。図表を言語化することは、チームの理解を深め、意思決定を支えるビジネススキルでもあります。

図表をもとに考えを整理し、自分の言葉でまとめる力は、スピーキング力と同等かそれ以上に重要なのです。

図表解説の基本フレーム

グラフや表を英語で説明する際に大切なのは、何をどんな順序で伝えるかです。

①グラフを紹介する → ②全体傾向を示す → ③注目点を具体的に説明する → ④データから読み取れる事実をまとめる

この流れを意識するだけで、聞き手にとって理解しやすい説明になります。

1. グラフを紹介する(Introduce the chart)

まずは、どんなデータを示しているのかを明確に伝えます。冒頭でテーマを共有すれば、聞き手が話の目的をすぐに理解でき、データ説明の導入もスムーズになります。

“This line graph illustrates the monthly sales performance of Product A in 2024.”
(この折れ線グラフは、2024年における製品Aの月別売上推移を示しています。)

2. データの全体傾向を簡潔に示す(Show the overall trend)

次に、データ全体の流れを短くまとめます。「上昇」「横ばい」「減少」といった大まかな流れを言語化することで、聞き手が全体像を掴みやすくなります。

“Sales generally increased from January to March, followed by a slight decline afterward.”
(売上は1月から3月にかけて全体的に増加し、その後やや減少しました。)

3. 注目点・目立つデータを具体的に説明(Highlight key points)

全体像を示したあとは、特に注目すべき数字を具体的に取り上げます。最も高い値や例外的な動きを一言で補足することで、参加者の視線が揃います。

“The highest sales occurred in March, reaching just over $45,000.”
(最も売上が高かったのは3月で、4万5,000ドルをわずかに超えました。)

4. データから解釈できる事実や推測をまとめる(Draw Insights from the Data)

最後に、データから読み取れる事実や推測を客観的にまとめます。議論の出発点となる「理解の基盤」をつくるのが目的です。

“Despite the downward trend, Q2 outperformed Q1 in terms of total sales.”
(全体としては減少傾向が見られるものの、四半期全体では Q2 が Q1 を上回りました。)

この4ステップは、どんな図表にも応用できる“説明の型”です。順番そのものよりも、相手にどう理解してほしいかを意識して情報を整理することが大切です。グラフや表を言葉で説明する力は、論理的に伝える力を鍛えるトレーニングにもつながります。

図表タイプ別の解説ポイント

グラフや表には、種類ごとに得意な「伝え方」があります。ここでは、代表的な3つのタイプを取り上げ、それぞれの“説明のコツ”を解説します。

1. 棒グラフ(Bar Chart/Column Chart)

棒グラフは、複数の項目を比較する時に最も効果的です。Bar Chart(横棒グラフ) は、ラベルが長い場合や、カテゴリー比較・ランキングの強調に適しています。一方、Column Chart(縦棒グラフ) は、時系列データの変化を示す際に見やすいという特長があります。

どちらも「outperform / lag behind / rank first / stand out」といった動詞を使うと、比較のポイントが明確になり、相手に伝わりやすくなります。

Bar Chart(横棒グラフ)

Bar Chart(横棒グラフ)

“This bar chart presents the annual sales performance of five company departments. Sales and Marketing clearly outperform the others in revenue.”
(この横棒グラフは、5部門の年間売上実績を示しています。営業部とマーケティング部が他の部門に比べて明らかに高い収益を上げています。)

Column Chart(縦棒グラフ)

Column Chart(縦棒グラフ)

“This column chart shows monthly website traffic for 2023. While most months show steady growth, February clearly lagged behind the others.”
(この縦棒グラフは、2023年の月別ウェブサイト訪問数を示しています。多くの月が着実に成長している一方で、2月は他の月に比べて明らかに遅れを取っています。)

2. 折れ線グラフ(Line Graph)

折れ線グラフ(Line Graph)

折れ線グラフは、時間の経過による変化を示すのに最適です。「spike / plummet / pick up / peak」を使うと、変化を描写できます。

“Sales spiked in March but plummeted sharply in April. After that, the numbers gradually picked up and peaked in August.”
(3月に売上は急上昇しましたが、4月には急落しました。その後、徐々に回復し、8月にピークを迎えました。)

3. 円グラフ(Pie Chart)

円グラフ(Pie Chart)

円グラフは、全体に占める割合を伝えるのに適しています。どの要素がどれくらいの比率を占めているかを、視覚的に整理して説明できます。「make up / account for / constitute」といった動詞を使うと自然です。

“Renewable sources made up over half of Country A’s electricity generation, while coal and nuclear contributed much less.”
(再生可能エネルギーがA国の電力供給の半分以上を占め、石炭と原子力ははるかに少ない割合でした。)

どの図表を使う場合も、意識すべきは「何を一番伝えたいか」です。比較・変化・構成、それぞれの特徴を踏まえて選び、説明の焦点を1つに絞りましょう。

まとめ

図表タイプ目的よく使う動詞説明のポイント
棒グラフ
(Bar Chart / Column Chart)
項目間の比較
時系列の比較
outperform / lag behind / rank first / stand out横棒はカテゴリー比較、縦棒は時系列比較に向く
折れ線グラフ
(Line Graph)
変化・推移の説明spike / plummet / pick up / peak動きをリズムで伝える
円グラフ
(Pie Chart)
構成・割合の説明make up / account for / constitute割合のバランスを示す
棒グラフ
(Bar Chart / Column Chart)
目的項目間の比較
時系列の比較
よく使う動詞outperform / lag behind / rank first / stand out
説明のポイント横棒はカテゴリー比較、縦棒は時系列比較に向く
折れ線グラフ
(Line Graph)
目的変化・推移の説明
よく使う動詞spike / plummet / pick up / peak
説明のポイント動きをリズムで伝える
円グラフ
(Pie Chart)
目的構成・割合の説明
よく使う動詞make up / account for / constitute
説明のポイント割合のバランスを示す

会議・プレゼンでの実践活用

英語で図表を説明する力は、実際の場面で使えてこそ意味があります。ここでは、会議やプレゼンの現場でどのように活かせるのかを、「会議参加者」「ファシリテーター」それぞれの立場で見ていきましょう。

1. 会議参加者として

会議では、提示されたグラフに対して理解を示す一言を添えるだけで印象が変わります。要点を確認したり、相手の説明を受けてリアクションすることで、「内容をしっかり把握している人」という信頼感につながります。

“So sales peaked in Q3, right?”
(第3四半期に売上がピークを迎えた、という理解で合っていますか?)

さらに、自分の発言を裏づけたい時にも図表は有効です。結論を述べたあとにグラフを引用して根拠を示すことで、メッセージの信頼性が高まります。

“As you can see in this chart, our new campaign doubled user engagement.”
(ご覧のとおり、新しいキャンペーンによってユーザーエンゲージメントが2倍になりました。)

図表を「主張を裏づける証拠」として使えば、発言に説得力が加わり、会議全体での存在感も高まります。

2. ファシリテーターとして

議論が広がりすぎた時は、どのデータをもとに議論しているかを明示することで、ファシリテーションに説得力が生まれます。データを再提示すれば、話の焦点を視覚的に揃えられます。

“Let’s look at the sales trend again.”
(もう一度、売上の推移を見てみましょう。)

ファシリテーターは、話題の整理役であると同時に、議論を建設的な方向へ導く“ナビゲーター”の役割を担います。次のような一言で参加者の視点を揃え、会議を前向きな方向へ導くことも可能です。

“This data suggest we need to revisit our strategy.”
(このデータを見る限り、戦略を見直す必要がありそうですね)

図表を使った英語でのやり取りは、会議やプレゼンをはじめ、情報を整理して伝えるあらゆる場面に応用できます。次の章では、こうしたスキルをさらに高め、実践に結びつけるための学び方を紹介します。

パタプラ会議&ファシリテーション番外編「図表の英語」

「パタプラ会議&ファシリテーション」は、

  • 基本レッスン(会議参加者用レッスン・ファシリテーター用レッスン)
  • 番外編(図表の英語・オンラインMTGの英語・数字の英語)

で構成されています。

番外編の1つである「図表の英語」では、棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフなどを題材に、全6チャプターを通して、図表を英語で説明する力を段階的に習得できます。

売上推移や割合の比較といった汎用性の高いビジネスデータを用い、どの業種・職種でも応用できるように設計されているのも特長です。

教材開発エピソード

番外編「図表の英語」は、「パタプラ会議&ファシリテーション」の教材開発メンバーが海外での学びを通じて得た気づきをもとに生まれました。

自分の言葉でデータを説明する力こそ、英語力のブレイクスルーにつながる。
「見せるだけ」から「一緒に理解をつくる」へ、踏み出してほしい。

「図表の英語」には、そんな思いが込められています。教材開発背景の詳細は、こちらの記事をご覧ください。

英語会議に「説明から逃げない」力を──「パタプラ会議&ファシリテーション」番外編『図表の英語』が新登場

まとめ

英語会議で活躍するには、発言力に加えて、図表を自分の言葉で説明する力が欠かせません。大切なのは、データの流れを掴み、それを相手が理解しやすい形で言葉に置き換えること。数字を自分の言葉で説明できた時、伝える内容に確かな説得力が生まれます。

図表を英語で説明することは、「論理的に考える力」と「的確に伝える力」を磨くトレーニングでもあります。

「パタプラ会議&ファシリテーション」なら、基本レッスンで英語会議における発言力を、番外編で特定スキル(図表の英語・オンラインMTGの英語・数字の英語)を強化できます。

「グラフを見せるだけの人」から、「データを言葉で伝える人」へ。
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