LESSON 17 異なる意見の統合と決議
相反するように思える意見を統合し、相互理解を深めながら活発な議論を生み、関係者たちの共通の目的に沿った解決策を生み出すのがファシリテ―ターの大きな役割です。とはいえファシリテーター自身がリードして合意形成に大きく介入することは避ける必要があります。
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※レッスンを聞いた後に分からない部分はテキストを見て確認しましょう。
◇元の会話を聞いてみましょう。-意見の相違点の確認と統合の提案-
We agree on boosting productivity, but some prefer training our team while others suggest outsourcing tasks. Is there any reason why we have to choose between the two? Is it possible to find a solution that integrates the best qualities of both approaches?
生産性を向上させるという点では意見が一致していますが、チームのトレーニングを希望する人もいれば、アウトソーシングを提案する人もいます。この2つのどちらかを選ばなければならない理由はあるのでしょうか?両方のアプローチの長所を統合した解決策を見つけることは可能でしょうか?
◇統合の提案のバリエーション
Is there a hybrid solution that combined both approaches?
両方のアプローチを組み合わせたハイブリッドな解決策はありますか?
◇元の会話を聞いてみましょう。-コンセンサスの決議を取る-
F: Are you ready to make a decision or do we need more time?
A, B&C: Ready.
F: Alright... How about Option A? We'll use Fist to Five Consensus
(数回まわしたあと)
A: I have some reservations but I'm willing to let the proposal pass.
B: I'll step aside and let the group proceed.
F: Thank you. It looks like we have reached a consensus here.
F: 決定する準備はできていますか、それとももう少し時間が必要ですか。
A, B&C: 準備ができています。
F: 分かりました、ではオプションAはどうですか?5本指コンセンサスを使います。
(数回まわしたあと)
A: 若干の懸念はありますが、この提案を通していいと感じます。
B: 私は身を引いて、グループの進め方に任せます。
F: ありがとう。これでコンセンサスに達したようですね。
◆表現
【Fist to Five Consensus 五本指コンセンセンサス】
参加者が、示す指の本数で賛成の度合いを表す方法です。Fist=こぶし、というのは一本も指を出さない、つまり「反対」の意味になります。
◆表現
【I have some reservations but I'm willing to let the proposal pass.】
懸念点はあるものの、不賛成を表明するほどではない場合に使える表現です。
【stand aside...】
不賛成を表明する参加者が一人でもいる場合、コンセンサスは成立しません。不賛成の参加者がコンセンサスを阻止することを「ブロックする」といいます。ブロックはしないが、賛成はできないという立場を貫きたい参加者には、この
“stand
aside” という選択肢があります。詳細は「会議の英語・参照資料」を参照してください。
◇元のセリフを聞いてみましょう。-多数決の決議を取る-
Alright, we have discussed all sides and options. Let's vote and make a decision. All those in favor of the proposal raise your hands… Great, it seems like most of us are in favor of the proposal. Let's proceed with this choice.
では、我々はあらゆる角度と選択肢を議論しました。投票して決めましょう。賛成者は挙手してください。いいですね、ほとんどの人が賛成しているようです。その選択を進めましょう。