なぜTOEIC高得点でも流暢に話すことができないのでしょうか?
TOEICで高得点を取るために必要なのは、語彙や文法といったリーディングやライティングに必須な知識・情報です。リーディングやライティングのスキルアップには意味記憶の獲得が不可欠です。
意味記憶とは、思い出せば引っ張り出せる記憶です。いつどこで覚えたかは分からない、覚えているより知っていることに近い、事実に関する記憶のことを言います。そのため、思い出すための時間が十分にある英語試験なら、意味記憶で高得点を取ることができます。
一方で流ちょうに話す、例えば母語で話している時は「思い出している」よりは「無意識に」「自動的に」思ったことをそのまま口に出している、という感覚が近いと思います。なぜこうなっているのかというと、繰り返しの反復によって獲得され、一生忘れないレベルの強固な記憶、つまり手続き記憶に入っているからです。
よってTOEICで点が取れる、つまり、「知識 = 意味記憶」があっても話す「技能 = 手続き記憶」がないために、流ちょうに話すことができないのです。